2014年7月30日水曜日

平成26年7月観音朝詣り

境内に咲くアジサイ
 銀座をはじめ東京の高級店街はいま大好景気だそうです。
高級飲食店は満杯、ブランド品や高額食品が飛ぶように売れ、数億円もするマンションがあっという間に売り切れているようです。
 
 理由はアベノミクスによる株価の値上がりや、賃金上昇によって富裕層の購買意欲がいちじるしく高まったためということです。

 宇都宮では、景気について人に聞いても、少しは良くなっているのかなという感想を聞く程度です。それよりも目抜きの大通りがシャッター街と化している現実に町の衰えを感じ、消費税増税にともなう物価や公共料金の値上がりがじわじわと生活を圧迫しているのを感じています。

 定年を過ぎた人たちは、超低率の預金金利や、年金の削減によって、今後の生活への不安を抱えています。

 何よりも、いま日本を支えている世代、特に若い世代の人たちの労働環境が悪化し、ワーキングプアと呼ばれる人たちの数が増大しています。
 
 何かがおかしい。

 昭和では、高度成長の結果ほとんどの国民が豊かさを感じた時代がありました。実態はともかく、一億総中間層といわれました。

 いまは格差社会という言葉があり、貧富の差が増大し、支配する者と支配される者が固定化しつつあります。グローバル化、規制緩和といった美辞麗句のもと、よりどころとなる共同体を失った一人ひとりの国民が、激しい競争にさらされています。生まれるのは少数の勝者と多数の敗者。

 これは、アメリカを手本とする政策が推し進められ、アメリカ化した結果といえます。アメリカは理想社会ではなく、現実のアメリカは格差の著しい社会です。
 
 私は、社会の進む方向が間違ってしまったと思っています。これを正すために微力でも何が出来るかを考える毎日です。
 平成26年7月15日
                     祥雲寺住職 安藤明之