2018年2月17日土曜日

平成30年2月 観音朝詣りのお知らせ

観音朝詣り


西国三十三観音さまにお経を唱えお参りしていきます。


 80才になられたお釈迦様は、長らく止まって居られたガンジス川中流域のマカダ国の霊鷲山(りょうじゅせん)を出られて一路北に向かわれました。
お供するものはアーナンダ(阿難尊者)一人、故郷シャカ族のカピラ城に帰ろうとした後の旅として南伝の涅槃(ねはん)経にその様子が詳細に記されています。

 その中で、途中病気になられた釈尊が、阿難尊者に与えた「自灯明、法灯明」と言われる言葉を紹介します。

 アーナンダよ、私はもう老い朽ち、齢を重ねて老衰し、人生の旅路を通り過ぎ、老齢に達して、わが齢は80となった。
アーナンダよ、たとえば古ぼけた車が革紐の助けによってやっと動いて行くように、私の車体も革紐の助けによってもっているのだ。
しかし、アーナンダよ、向上につとめた人が一切のとらわれを心にとどめることなく、あるがままをあるがままと受け止め、とらわれのない心の統一に入って止まるとき、そのとき、彼の身体は健全なのである。
それ故に、アーナンダよ、この世で自らを灯火(ともしび)とし、自らを拠り所として、他人を拠り所とせず、法を灯火とし、法を拠り所として、他のものを拠り所とせずにあれ。

 老衰の身を古ぼけた車にたとえる心境について、齢70を迎える私にも少しずつ実感が湧いてきました。
老い死んでいくのは避け難いことですが、そのあるがままをあるがままとし、しかも自分の生きる道を自分の意志で生きて行く。
その道を照らす灯火となるのは自分自身であり、真理としての法です。
釈尊のこの言葉には、老いを超えた力強さ、独り行くものの気高さがこもっています。

                                  祥雲寺住職 安藤明之



まだまだ寒さ厳しい時ですので
十八日の朝詣りは午前9時から行います。

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